4ピースバック

特別仕様はもう一つあって、それがこちら。ジリコテ(シャムガキ)。この美しい杢目に惹かれて専門学校時代にヘッドプレートに採用したことがあるけれど、反る、割れる、油っぽい、やたら硬いでそれ以来ニガテ意識がある。反っていたし含水率がちょっと高そうだったので軽く熱をかけたら大々的に裂けた。真ん中近くまで裂けている。手ごわい材料なのだ。

これだけはっきりと割れてくれれば決断しやすい。今回は裏板4ピースで行く。割れた部分は取り除く。左右同じ位置で接ぎたい。他に割れている所は入れたくないし幅にそれほど余裕もない。どこでどう切ってつなぐのか

決まった。

特別仕様スタート

念のため県に休業要請と協力金について聞いてみた。作業場は休業要請対象外、だけどうちは販売や修理の受付など顧客と対面する業務もあるので。返答は「メインが何か」。仕事の従事時間や床面積などうちの場合は作業場作業がメインということで対象外だと。もし自主的に販売などを中止しても協力金はない。分かっちゃいたさ。当然と言えば当然。だいたい協力金30万なんて4~5カ月かけて作ったギター1本が売れたぐらいの大きなお金、それを2週間足らずの自粛でなんて見合うわけがない。だからと言ってじゃんじゃん来てねとは言えない状況なので皆さんご留意くださいまし。例年ゴールデンウィークともなると普段二の足を踏んでいた人が友達と連れ立ってギターを見に来たり修理の相談に来たりするものだけど、今年は県内の方が少人数で、こういう連休しか動けないのよねって方はご相談ください。郵送ならお気兼ねなく。

さて、機械も直ったし楽器店の方とも連絡が取れたので次の製作スタート。まずはこちらから。

サイドバック材がホンマホ。ホンマホとはホンジュラス・マホガニーのことで、通称”The Wood”。世界三大銘木の一つ。センダン科マホガニー属。(ちなみにアフリカンマホガニーはセンダン科カヤ属であって属のレベルで別の種。隣のネック材がアフリカンマホ。)ワシントン条約のため今は・・・どうなっているのかよく知らないけど最近売っているのを見かけない。そういう希少材。とあるサイトでずぅっと売り切れになっているホンマホのネック材の価格から値段付けたけど安すぎたかもしれないなぁ。

こちらはカッタウェイのvesseになる予定。女性にも気にとめてもらえる可愛さを付加したいと・・・うまくいくかな?ヴェルサイユ宮殿の豪華な家具もこの木だったけどあんな華美なものは私にゃ無理だ。厚みを調整してはぎ合せ。

弦高5mm以上だったギターははがれたところの接着が終わって2mm強ぐらいで何とかおさまった。ペグがグラグラだったんで全部止め直しておいたよ。これは学割サービスにしておくね。蓋でクローズドなのでオープンギアとは呼ばないのかな?