女性衣類

昨年度で町の地域コーディネーターは退役したのだが
女川の先生の要望を聞いたことから
自然とボランティアのコーディネーター役になっている。
足代も出ないんです、って言っても
こういう時だからか、名乗り出てくれる人がいる。
その度に僕が現地まで行けるかどうか・・・。
仙台の友人が日本中から衣類を集めてくれている話は以前も書いたと思うが
今日、分けてもらってきた。
そのお宅、大量のダンボールがごった返していて
こりゃ仕分けも大変だ、と思ったところへ、新潟から大きなダンボール2つ届いた。
運送屋さんが「今日は2つだけなんです。」って。
今回頂いてきた衣類は女性用と子供用。
再来週、東京の友人達と再びボランティアへ入る予定で、その時の手土産になる。

車に貼れるマグネットでこんなの作ってみた。
思ったより大変だった。
で、思ったより高くついたかも。

カラカラ

町内の木工製作家さん、洗濯しにウチを選択してくれた。
まだ水が出ていないらしい。
例のイモリのヤツだ。
イモリの詰まった水道管を掘り出そうとすると
そこの地主さんが掘るのを許してくれないとか。
これは天災ではなさそうだぞ。
なんとかならんものかなぁ。
今日は20%を切るほど乾燥していた。
春になったら、と言っていたゆと森ギターの返却はもう少しおあずけ。
ノンカッタウェイのバインディングは終了。

下水

岩沼にある県南地域の下水処理場について、訂正します。
既に、半分は仮設沈殿池への引き込みが終了しているそうです。
関係者の方々に感謝いたします。
元通りまではまだ時間がかかるのでしょうが
復興へ着実に歩み始めておりました。

1弦ベース

水道屋さんが言っていた。
コンパネが無いから建物修理がはかどっていないと。
太平洋側のプライウッド工場が軒並みやられて、東北には山形の一軒しか残ってないと。
それから、石膏ボードなどの内装建材大手企業も被害を受けて作れなくなっていると。
ウチに大工さんが来てくれるのはいつになるだろうか。
余震で壊れるのが先か、修理が間に合うか。
こんな状況下でいくら仕事が出来ても、これは日常とは呼ばない。
ちなみに宮城の県南は下水処理場が津波で流されて、水洗トイレがまともに使えなくなっており
復旧のメドは立っていない。幸い我が家は関係ないけど。
バインディングを巻いて、乾燥を待つ間、ギターに被害が及ばないよう
ダンボールに入れている。

こんな時だけど、どうしても試してみたくなってしまって。
ブルースだったか、カントリーだったかのミュージアムで見た、
創成期の楽器を再現。
貧しい農家らしい楽器。
1弦ベース。

こんなの弾きこなせないよ!

始業

久しぶりに小学生が遊びに来た。
この辺りは昨日から学校が始まっているらしい。
被災地の小学校も他の学校に間借りして今日始業式と入学式が行われたという。
仙台では今日、桜の開花宣言。
桜の咲く中、入学式を経験した子もいるかもしれない。
仙台では初めてかもしれない。
小学生連中、いつものようにDSを持ってきていたが、赤紙の張られた我が家を見て
中に入れずに困惑したようだった。
興奮気味に3.11の事を話してくれた。体育の授業の直前で
着替え中のためパンツ一つで校庭に逃げた子もいたとか。
緊急地震速報の警報音を聞くと頭がおかしくなったように怖いと言っていた。
そういうそばから揺れる。
怖くていいんだ。ただ、冷静に対応できるようになってもらわないと。
ようやく白黒線の飾りを入れ終えた。

一ヶ月。

夕方17時16分、巨大余震。
最大震度6じゃ余震のレベルじゃないんだけど。
蔵王は震度5弱。
仕事中で、気づいたら真上の蛍光灯を押さえていたんだけど
大きいぞと思って外へ飛び出した。
その後も7時過ぎまで数分おきに余震で揺れていた。
その度に体が硬直する。
何しろ作業場の壁は4.07の余震でいっそう危ない。
角だけでなくあちこちにヒビがある。
柱と石壁はいっそう開いたような気もする。

作業はいぜん亀の歩み。
サイドの飾りすら終わっていない。

ダイタイエナジー

東京で原発反対の大きなデモが行われたらしい。
それなのに推進派が知事選を制したらしい。
エネルギー政策は転換期。
原発を減らしていかなければならない事は必至だろう。
浜岡原発なんかは今日にも止めてほしいけれど
まぁ、その議論は置いといて・・・
今後の代替エネルギーとしてメタンハイドレートが浮上しやしないかと
ハラハラしている。
メタンハイドレートとはメタンガスと水分子との氷で、北半球の海底に大量に存在し、良く燃える。
低温高圧で氷になっている。
日本の近海にも存在する。
しかし、燃やせば二酸化炭素が発生する。
燃やさず、メタンのまま大気へ出れば二酸化炭素の20倍の温室効果がある。
事実、LPTM(Late Paleocene Thermal Maximam)といって、暁新世末期にメタンハイドレートが溶け出したことにより、短期間に6℃の気温上昇と、海洋中・深層水域での大量生物絶滅が起きている。
そのため、10年以上前の議論ではあるが、地質業界では
これ以上埋蔵炭素を掘らないためにも、温暖化対策の見地からも
生物環境保護のためにも
メタンハイドレートは掘り出さないほうがいいという意見が多勢を占めていた。
もしかしたら、今後メタンハイドレートが日本を救うなんてメディアが騒ぐかもしれない。
が、だまされてはいけない。
ちゃんと太陽光発電を考えていきたい。

本業再開

昨夜、被災地の小さな小学校の校長先生と電話で話した。
その学校は校舎がもうつかえない。
「子供達にライブとか大道芸とか、何か楽しめるものを見せてやりたいなーって思うんです。
石巻とか大きな街ではもう行われているんですよ。
ただ、交通費すら出せないんですよね。」
昨年度まで僕が携わっていた学校支援に関わる話だ。
地震の前なら近所で出来る人にお願いすればいい、って所なんだけど
近所の人はもれなく、亡くなってしまったか、いまだ行方知れずか、避難所にいる。
被害の少ない地域にお願いするしかない。
そうすると遠くから来る事になるので、お願いしづらい。
校長先生の立場ではなおさらだ。
誰か手を上げてくれる人はいないだろうか・・・。
平日の昼間、電力の確保も危うい場所で、子供達を楽しませられる人たち・・・。

昨日の雨で、作業場わきの駐車場でヒドイ雨漏りがしていたので
今日、屋根に登ったりしながら色々見たのだが原因を特定できなかった。
午後から作業場に入った。
僕の仕事は作業場にいる日数、時間にほぼ比例して仕事が進む。
とにかくここにいる事が必要だ。
製作中のギターを再開した。
バインディングの溝掘り。
でも思うように仕事ははかどらなかった。
仙台あたりの人がよく言う、我々だけが日常へ戻る事への葛藤
だろうか。いやいやまさか、そこまで善人ではない。
振り返ると壁が割れ傾いているから だろうか。
部屋の片付けもまだしていないから だろうか。
旅の荷ほどきすらまだだから だろうか。
単純に一ヶ月ぶりの仕事だから だろうか。
ちょっと腹が減っていたから だろうか。
壊れたテレビの代わりとして居間用にラジオを買った。

SIM

携帯のSIMカードを紛失してすぐ、友人の携帯を借りて
SIMの凍結をお願いし、今後の事を聞いたところ
機種変更と同じ扱いになるため、
割引コースの中止、SIM代金、ローン返済で2万円ほどの出費と判明した。
携帯会社変更も視野に入れて考え始めていた。
夜になって、SIMカード紛失の件でWillcomから電話が鳴った。
「さきほどのサービスコースにはご加入ではありませんでしたが
別のサービスがございましたのでこちらで対応させていただきます。」と。
教えられた番号に電話すると、
「警察への届出はなされましたか?」
してないと言うと極めて渋い声。
どこでなくしたかと問うので、仙台か石巻、と言ったとたんに声色が変わった。
「震災で大変な時に大変もうしわけございません」
となぜか謝られてしまった。
「このような時ですから」と、届出は免除してくれて
貯まっていたポイントで無料で交換の手続きをしてくれた。
終始、お待たせしてしまってすみません、と平謝りの電話口。
語り口から、向こうの人も被災地を心配してくれていているのがよく分かった。
とにかく一安心。ありがとうWillcom。
ただ、SIMが届くのは10日後、それまで携帯がつながらないのであしからず。

炊き出し@石巻

今日は炊き出しのお手伝いに石巻は渡波駅前。
京都から駆けつけてくれた団体のお手伝いです。
自宅や親戚の家など避難所以外の人が集まるそうで
何人分作るか難しいと。
雨なので出足が悪いかもしれないと控えめの700食。
メニューはハヤシライス。
大量のお肉を切ったり、大鍋をかきまわしたり
お皿にひたすらよそったり。
炊き出しも体力仕事でした。
わずか2時間ですっかりなくなりました。

食後わざわざ戻ってきて
「これまで食べたカレーで一番うんめがったよぉ!」
と言うおんちゃんにリーダーはカレーかぁと言って複雑な顔をしておりました。
宮崎からも駆けつけてくれていましたよ。
食べてみたかったぞ、肉巻きおにぎり。

帰り道、たぶんコンビニに寄った時。
携帯を落としていい音がしました。
後で気づくと通信できない。SIMカードを紛失しました。
この入りような時に出来ない子。

ギター工房tupli でのギター製作と日常を綴ります。