あべサンタ

あべひげのあべさんにお別れを言いに行ってきた。
ご焼香に来た人たちは大きな部屋2つに納まりきらず
階段まではみだしていた。
「・・・あまり使わないのですが、戒名に髭の字を入れました・・・」
いつもチェックのシャツを着て、ジーンズに大きなバックル。
舌っ足らずなしゃべり方も声も寝顔もありありと目の前にあって
どうにも腑に落ちないもんだから
顔を見れば飲み込めるだろうと思っていたけど
妙に綺麗な寝顔はなんだか作り物のようで・・・
「この後飯でも行く?」
「いつもの面子がそろったから、あべひげ行くか」
「あべひげ以外に知らないよ」
今後、どこで二次会をやればいいのだろう?
営業時間もメニューも料金設定すらない、太鼓叩いても、ギター弾いても
オーナーが寝ていてもお構いなしの、料理が抜群にうまい呑み屋なんて他にあるはずがないのだ。
コサキックがニクイことを言う。
「来年からはあべサンタが来るんだよ」
行きの車も帰りの車もラジオではクリスマスソングばかりが流れていて
来年からはクリスマスソングを聴いても、
白い髭のサンタクロースを見ても
あべさんを思い出さずにはいられないだろう。

「あべサンタ」への2件のフィードバック

  1. 南部さんのブログ読むだけで泣きそうです。あべひげ開店前夜、前の店で、あべさんに「おう、今度春日町に店出すから、おまえら、来いっ!」その頃からお世話になってたから。
    僕は明日お別れに行ってきます。すごい人なんだろうな。「どうだぁっ!いっぱい集まっただろぉ、
    ばかっぁ、このっぉ!飲めっ、このっぉ」聞こえてきそうです。
    あべひげさんみたいに、優しく豪快に生きなくっちゃね。んだってばっぁ!人生いちどっきりだっぁ!!また聞こえてきます。

  2. >お天気マーチンD-40さん
    ほんとだ。聞こえてきました。
    あの階段を下りたらあの光景があるようにしか思えません。
    地下での時間を思い出して、忘れる事のないようにしっかり思い出しておくことしか僕には出来ません。

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