糊取り

指板上だけ塗装が食いつかないねぇ。
あんなにしっかり研磨したのに。
ひび割れていたから、シリコンスプレー的な何かが染み込んでいるのかもしれない。

ピックガードをはがすと、とってもしつこいテープと糊が残っている。
この存在を忘れていた。

はがすのにはちょっとしたコツと、根気がいるのだ。

ピックガードを交換した。

ちゃんと砥ぎましょう

プレベ。
ネックの塗装がこれ以上はがれちゃわないよう、薄く塗装吹いた後の図。
研磨して次からの本格塗装に備える。

硬くて削れないのかと思った。
鉋の刃を砥いで再び臨んだら、難なく削れた。
材に試されているようだ。

ab&bw

ホール飾りができた。
貝は積層タイプじゃなくてソリッドだから光り方も深くて自然でいいでしょう。
アバロンと呼ばれるアワビの一種。
アバロンの場合、積層のが多くってなぁ。
まぁ、広い面積の場合は仕方ないし、鮮やかな青とかが好きなら積層も悪くないけど。
中央の木もブラックウッドというらしい。マレーシアの。
産地が違うとこうも違うのか。
種が同じかどうかは知らない。
土や気候が変われば性質は変わる。何十年もかけて成長するのだから。
それは人もおんなじ。

こちらのブラックウッドは内側を磨いてブロック接着。

3.14

3月14日といえば?
その通り。皆さん、ご名答。
円周率の日ですね。
円を描いていきましょう。
コレはもう少しかかりそうです。

こっちの写真を上げ忘れてました。#062vesse。
ファーストインプレッションはザクザク弾いて気持ちいい。

割れた?!

側曲げだ。
ブラックウッドがあんまり重くて硬いから、ちょっと薄めにセッティングした。
それでも持った感触はなかなか曲がらなそうな強情っぱり。
しっかり水に浸して、熱をかけながら、柔らかくなるタイミングを探りながら・・・
よし!曲がった!
型に納めたままゆっくり冷やし乾かすわけだけど、その冷めていく時に
チッ・・・パチッ・・・ピシッ・・・
バチッ!
恐ろしい音がした。
チッ・・・パチッ・・・ピシッ・・・
割れた?!
冷めて縮む過程で?
あーどうしよう・・・代わりはないし・・・高い材だし・・・
型の中でサキイカみたいになってるのか?
いやいや、そんなバカな。
数時間置いてすっかり冷め切ってから、型から出してみると

綺麗に曲がってる。
そして、すごいヤニ。
金属みたいにテカテカ。
全体を覆っている黒光りしたコールタールみたいの、この薄い木から染み出してきた木の樹脂。
もちろん内側も。
ヤニ多そうなのは持ったときに感じてはいたけど。
この樹脂分がくっついて、はがれたり、ずれたりする時に音がしていたんだね。
一緒に曲げたステンレスが真っ黒。
これ、落としておかないと、他の材にこの樹脂がくっついたらやっかいだし、染み込んだらもう取れないし。
それにしても、いやはや、肝を冷やしたとさ。

白太

はぎ合わせた。
薄い板の小さな接着面。あんまりずれるとヤバイんだけど、許容範囲で何とかなった。
白太(しらた)がバックセンター。太白じゃないよ。
自然の模様はやっぱりきれいだ。

白太とは樹皮側にある辺材。
センターに辺材だから中央に外側があるってこと。
白太はちょっと柔らかい。バックの割れ止めはやや広めに作ろう。
それにしてもこのブラックウッド、硬い。
ペーパーがけがなかなか手ごわい。
今度から材料持込による割引はやめにしようかと思ったりもした。

3年

あっという間に3年。
ついこの前のような気がするし、あの臭いは今でも時折よみがえる。
忘れた事はないけど忘れている時はどうしてもあって、
だからせめて今日は、たくさん想って願うのだ。
なんて言っておきながら、その時間も修理の仕事をしていた。
ナット交換と、トップ割れの補強と、塗装修理の準備と。

それから次作、材の厚み出し。
お客さん持ち込み材。サイドバックのブラックウッドがものすごく硬い。
いつもより薄めにセッティングした。
写真は削る前。

塗装中

中4日空いたので、仕事はやっぱり塗装から。
塗装中の3本を研磨して吹きつけて。
三者三様のヘッド。
後ろのフェンダーはまだこれから。

ステンドグラス

富山からの帰りに妻の実家に寄った。
母もものづくりの好きな人で、今はステンドグラスを使った作品に凝っている。

アロマ用のろうそくを置くと写真のようになる。
囲ってある上3つのタイプは、写真のように下に白いお皿を置くとなお可愛らしい。
一つとして同じものは無いが、作品はゆうに100を越えており、売るほどある。
欲しいと仰ってくれる方がいたなら、まだお店にはないので、こちらtupliの工房まで連絡いただければ。

地図のおじさん

富山の伯父が亡くなって、その通夜と葬儀に行って来た。
大寒波、猛吹雪、ニュースでは大荒れの予報が繰り返される中の出発。
強風時々吹雪、一瞬のホワイトアウト。
雪自体はそれほどでもなかったが、車が横滑りするほどの強風が吹く日本海沿いをひた走り、十数年ぶりに富山は氷見市。
皆口々に、今年は雪が無い、と言っていたが、寒い日になった。
僧侶であった伯父、庭の全く無い小さな小さな自宅兼寺。
その寺の最期も兼ねた葬儀はたいそうなものだった。
寺に入りきらないからと葬儀場を借りると聞いたときは、なんで?と思ったが、なるほど。
お坊さんが18名だか20名だかの大合唱。

最後に自宅へ帰って再び読経。
おばあちゃんが健在だった頃はしばしば遊びに来ていた場所。
色んな思い出話を聞いているとき、古い記憶がよみがえった。
僕が幼稚園に入る前、巨大な世界地図を前に
「なんで日本だけ赤いか分かるか?」
と僕に聞いたのがこの伯父さんだった。
その後僕は地図のおじさんと呼んでいた。すっかり縁遠くなってしまっていた。

氷見の圧倒的に旨い回転寿司を食って、富山を後にした。