蔵王の宝が・・・

町の広報を見ていたら、おくやみの欄に信じられない名前があった。日本でも屈指のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の中野哲也さん。60歳だったという。私にバロック音楽というものが案外ポップで聞きやすいものだと教えてくれた人。擦弦楽器の弓をご自身で作るのが趣味で、自宅に作業場を持っており、うちの工房にも何度か遊びに来てくれては、木工機械について語り合ったことがある。クラシックギターも趣味で弾いていたようで、やっぱりサドルくらいは自作して、色々な材料を試したらしい。

気さくで、蔵王の山の中に不釣り合いなほどスラリとオシャレな都会的な空気を身にまとった紳士だった。彼にいったい何があったのか、突然の訃報に戸惑っている。彼の存在がいつも蔵王自慢の一つだった。

無念もあろうかと。どうかやすらかに。合掌。