搬入

またしても雪。冬に仙台へ出向くと雪の確立が異常に高い。
明日から始まる仙台ギターフェアに備えて
イービーンズへギターを届けに出かけてきた。
送ってもいいと言われていたのだが、送料がもったいないし
店長さんと顔を合わせておけて良かった。
久しぶりに明るい時間に街へ出たので、以前お気に入りだった古着屋へ行ってみた。
ずいぶん規模が小さくなっていて、気になるものは見つけられなかった。
冬物の上着があれば良かったんだけど。
つまらない店になってしまった。
文庫本と名刺に良さそうな高級色画用紙を買って帰った。
洋服とか、買ってないなぁ。
結局気に入って着ている今のものをながく使うことになる。
誰か俺のジャケットの肘に革でも当ててくれないかなぁ。プロ並の仕上がりで。

誤解

先の震災D-28について、私の言葉足らずで誤解が生じているようなので
ここで弁解と訂正を行わせていただく。
というのは、指板下やダヴテールに薄板が貼られていて「こんなものか」と評したことで
『粗悪品だったのか?』と勘違いされてしまったようなので、これを否定するものである。
ダヴテールに0.3mmや0.5mmの突き板を貼ってあるというのは、
ここで話しているのはダヴテールの台形の側面に貼られていた黒い小さな薄板であって
底面に貼られた白いスプルース材は全く意味が無く、それはおそらく気にしなくて構わない隙間を
良心か何かから埋め合わせただけにすぎないのだが、
この側面の突き板については、一度ジョイントを合わせたのち、葛藤をしたあげく、さらに完璧を求めてやり直した証であり
丁寧な手作業を裏付けるものである。
一部で神の様に扱われる、神を信じない者がこういう表現をつかうのも滑稽かもしれないが一つの比喩表現として
神のごとくに珍重される老舗メーカーのヴィンテージギターであっても、
その古い製作者もまた、我々と同じようなやり直し作業をしていて
一度で完璧な木工作業のできる神では無かったという事に対しての「こんなものか」だったということなのである。
私も数本に1本、ダヴテールに突き板を貼っている。かえって強固なジョイントが生まれる事が多い。
製作者同士の無言の会話なのである。
「なんだ、おまえもか。」
ダヴテール側面の黒い突き板の存在が、製作中の苛立ちとプライドを表しており
時間を割いて振り出しへ戻った証拠は
むしろいとおしく思えるほどではなかろうか。
さて、このギターの表板は洗ったのち、概ね乾き始めているのだが
頑固に反り返って戻ろうとしない。
原因はわからない。
塗装が縮んでこうなることがあるのだとしたら、一度全てはがさねばならぬ。
残っている小さな力木も全てはずすことになるかもしれない。
この反りが戻らなければ表交換もいたしかたあるまい。