てめぇが好きで飛び込んだ稼業だから、今さら愚痴も言えませんが
はた目で見るほど楽なもんじゃねぇですよ。
・・・そうですね、例えば夕暮れ時、田舎のあぜ道をひとりで歩いていたんですね。
ちょうど、りんどうの花がいっぱい 農家の庭に咲きこぼれている
電灯は明々とともって その下で親子が水入らずの晩飯を食っているんです。
そんな姿を 垣根ごしに ふーっと見たときに
あーこれが本当の人間の生活じゃねぇかな、
ふーっとそんな事を思ったりしましてね・・・
・・・どうですかねぇ、そんなに羨ましがられるほどのもんじゃねぇですけどね・・・
(男はつらいよ 第8作 寅次郎恋歌より)
なんだぃ、あしたぁ雨か
トップコート吹こうと思ってたんだけど週明けまで おあずけ だな。
研修はいつも雨
同業同期生
フェルナンデスギターエンジニアスクールの同期生が遊びに来てくれました。
申し訳ないです。
ソリッド科の人はほとんど覚えておりませんでした。
言い訳をすれば、1年2ヶ月しか在籍していなかったので。
当時の学校での出来事や、先生の思い出話が楽しくて
ずいぶん引き止めてしまい、日付が変わっちゃいました。
どうもありがとう。
彼も昨年、独立開業したそうで、山形で頑張っているようです。
すごいです。年下です。
工場勤務時代、やっぱり自宅でも作業していたようで
僕とそっくりの経験をしてきたみたい。
似た者同士ですわ。
話を聞いていると、ちょっとビビるくらいの難しい修理をこなしてきているようで
勉強になります。
情報交換して、互いに切磋琢磨できたらいいですなぁ。
近いうちにホームページにもリンクを貼らせてくださいね。
こちら→ 彩雲弦楽器工房
しっかし、同期は妙に優秀だと思います。
続えすわん
小学生とお茶。
テュプリユーザーさんがギター持って遊びに来てくれました。
工房に置いてあった頃より確実に音が良くなっています。
やっぱり弾かれてなんぼなんですね。
それから、小学生が2人遊びに来て、お客さんが来ていた流れで
初めてかもしれない、小学生とゆっくりコタツでお話しました。
何やら難しい悩みを抱えているようです。
田舎の小さな小学校でもイジメの問題もあるようで。
ただ、とにかく感心したのは、女の子は小学生でも、よくできた、というか
大人びた発言をするもので・・・
聞き分けのいい子というのは我慢しすぎるからかえって心配だったり・・・。
えすわん
ちょっと珍しい修理かもしれません。
一番深いところでおよそ2mm削れています。
木というのは削る事はできても増やすのはとても難しい材料です。
それでもこのギターを長生きさせるのが私の使命です。
まず、薄くなっている場所に裏から補強をします。
それから、削れた部分に出来る限りあわせて肉付けをします。
貼り足す材料にチョークを塗って、広い面積で当たるよう加工して。
あとはボンドで充填するしかないですね。
木の色は同じ物はなかなかないものです。
せめて木目の向きを合わせるのがこちらのプライドとでも言いましょうか・・・。
ざっと研磨してこの状態。
演奏スタイルからしてピックガードが必要でしょう。
べっ甲柄のピックガードを貼っちゃいます。
爪の衝撃で木の表面がつぶれてしまっているようです。
削れていなかった部分でもダスターのエアーで塗装がバラバラとはがれてしまう場所があったので
この辺りから上は全部塗装をはがします。
そうしないと、何かの折にピックガードをはがす時、表板がボロボロになってしまいそうです。
しかしまぁ、これぐらい弾き込まれたらギターもさぞ嬉しいでしょうね。